第2節 展開の概要
知らせたい人は誰か
障害者として自立するための道具が必要な人々。また、障害当事者を取り巻く家族や友人。医療関係者、行政関係者、報道関係者、運転免許関係者、自動車交通関係者をはじめ、その他一般の人々。とにかく福祉の枠を超えて情報を知らせることを目的にした。
何を知ってもらいたいか
1、ジョイスティックコントロールカーのような革新的な道具が障害者の生活環境を変える可能性
2、日本の福祉自動車と交通システムの現状
3、全国の障害者の自立環境の整備状況
4、障害者運転免許の全国的な現状
以上を目的に各会場において地元の当事者との交流を目的としたシンポジウムと車両展示会をセットで開催
どのように知らせるか
ジョイスティックコントロールカーの特殊な運動機能が正しく理解できる環境として、一般公道をイメージできる自動車運転教習所をべースに実際に展示走行することで車の安全性と社会適応性が十分可能であることを実証する。
このために各会場の地元当事者や関係各行政の担当者を事前に訪ね開催への根回しとして、地元メディアヘ先行して情報提供を積極的におこない取材環境を整備する。
ジョイスティックコントロールカーという取材対象があり「障害者の全国キャラバン」ということで成果をあげた。
第3節 活動の結果
予想しなかった大きな反応
1997年3月28日に船の科学館を会場にお披露目を実施した。日本財団広報部とJoy Projectの広報努力で非常に多くのメディアの取材があった。結果としてこの報道に対応する形で当事者の団体に限らず二次取材の問い合わせが多くなり、波及的に当初計画していた10ヶ所の開催予定を大きく変更することとなった。
特に全国の当事者の中でいくつかの行動的な団体は「ジョイバン全国キャラバン」を呼ぶ実行委員会を結成して精力的な活動の結果でJoy Projectの活動を支援してくれた。
手応えのあったキャラバン
特に会場の自動車教習所の教習官の方々の反応が特徴的であった。無関心を装う人、関心はあるが関わりを持つことに抵抗のある人、積極的に関わろうとする人。それはまさに、一般健常者のわれわれが障害者と福祉の問題に関わりを持ったときに見せる「戸惑い」そのものであった。
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